正面を向いた鳥の絵が描けますか?

打合せで梅田に出た帰りに本屋さんに立ち寄り、乳児の視覚世界を研究されている山口真美先生の著作を購入。山口先生のお考えはとてもユニークなので、いつも注目して拝読しています。
新書本なので、一般向きにとても分り易く、視覚世界のことを紹介されています。頭足人についても少し記述があり、本の中では頭足画と記述されていますが、参考になりました。一部引用。

なぜ、そろいもそろって世界中の子どもたちがこんな不思議な人体構造を描くのか、はっきりしたことはわかっていない。とはいえ子どもがこうした絵を描く背景には、「認識機能の発達」が深く関わっていると考えられている。(中略)
大人の目からするとへんてこな絵だが、「もっときちんとした絵を描いて」とこの種の絵を描く事を禁止して、むりやり写実的な人物像を描くように強いてはいけない。絵は、必ずしも写実的に描く事がいいわけではないのだ。

正面を向いた鳥の絵が描けますか? (講談社+α新書)

正面を向いた鳥の絵が描けますか? (講談社+α新書)

アーチャンも、最近は頭足人的表現は、ほとんど無くなってきていますが、頭足人的描画のプロセスを経る事はとても重要なことと僕も認識しましたので、共感します。アーチャンが頭足人的描画をはじめた頃、頭足人について調べてみて、僕はアーチャンが時間が掛かるにしても、必ず世界をシンボル的に解釈する能力は身に付いて、文字の習得も可能であることを確信しましたから。
頭足人についての詳しい解説は、僕のblogにリンクさせていただいている、岡山大学の高橋先生のHPhttp://ed-www.ed.okayama-u.ac.jp/~youji/takahashi/byouga/byouga2.htmに詳しい情報がありますので、参照ください。
また、頭足人的描画と並行して、幼児のスケールエラー的認知行動も深く関連すると想像しますし、スケールエラー的行動と、世界をシンボルとして捉える認知との関連については、脳科学者の茂木健一郎先生が紹介されています。

http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20041218/artanart
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20040922/p1