小谷廣代展「音とストロークの間」

元町のギャラリーヤマキファインアートにて、小谷廣代展を観る。
小谷さんの絵画と静かな環境音楽とのコラボレーション。作品は三つの構成になっていて、和紙に墨の線描、大きなキャンバスにグレイのタブロー、小さなシュガーアクアチントの銅版画が徐々に密度を上げて、もしくは下げていく循環のような配列。ノイズと快適な環境の境界線のようなところに私達は住んでいる訳だけれど、それらが時として対称形のような関係となって、区別がつかなくなり(ノンヒューマン環境論的な、ものへ傾斜した無意識的な世界とも言える)その往復が実は、私達の心の落ち着きを回復させてくれているように、体と心を癒してくれる。会場に着くまで、睡眠不足から、僕は少し体調がおかしく、ふらふらになっていたけれど、静かな音に集中して、目を閉じていて、その音の中に、子供の頃から好きな傘に雨粒が当たってはじけるような、乾いたパラパラとした音が聞こえてきて、回復していった。

http://www.gyfa.co.jp/
ギャラリーヤマキファインアートのHP