PWSの嗅覚は過敏なのか?

先日、大阪大学の吉川先生のnecdin遺伝子の御研究で、necdinとgabaニューロンとの関係の研究について、リンクさせていただいたけれど、その時に、以前から思っていた、prader-willi症候群と嗅覚の問題について、改めて、いろいろと考えてみた。
アーチャンは療育園が長居公園の近くにあるということもあって、行き帰りに、カーチャンといつもお花の良い香りを楽しんでいたからかもしれないが、良い匂いをかぐのが好きなようだ。嗅覚は直接脳につながるから、香りの効果が、行動面の問題などに効果があれば良いなとずっと思っている。以前、鳥取大学の大野先生の講演会で、prader-willi症候群はgabaの受容体に変異があり、それを刺激するtopiramateという抗てんかん薬を投与すると、スキンピッキングが治まった、という治験(海外での治験、日本ではtopiramateは未認可らしい)のお話を聞いて、topiramate等の投薬は副作用も考えられるので、現実的ではないだろうし、gaba受容体に効果のあるという、ウーロン茶などを試してみる事の可能性について、大野先生に質疑したこともありました。
グレープフルーツの香りも、視床下部通じて、自律神経に働きかけ、肥満に効果あるという研究があるので、少し試してみたりもしている。何らかの効果があればよいなと思う。今日も朝食の時、アーチャンとカーチャンとで、一緒に皮をむいて、香りを楽しみ、果肉は食べて、皮はネットに入れておいて、夜、お風呂に入れて楽しんでみたりしてみた。(グレープフルーツの別の成分には、薬を分解する酵素を働かなくするものがあり、要するに薬が効き過ぎる為、お薬との併用は駄目らしいので、注意が必要ですね)
改めて、嗅覚とPWSで検索すると、PWSの遺伝子の欠失領域に嗅覚の受容体の遺伝子の一つが含まれているらしく、何らかの変異はあるんだろうなと想像する。でも、臨床の参考書にも、PWSと嗅覚の問題については、ほとんど記述ないから、どうなんだろうと思ってしまう。
この辺りは、患者家族、臨床医、基礎研究者との交流によって、総合的に、探索していく必要のあるところではないかなと感じる。