朝日新聞夕刊「新・欲望論」茂木健一郎”多様性こそが合脳的”を読む

昨日の朝日新聞夕刊に茂木健一郎さんの「新・欲望論」”多様性こそが合脳的”を読む。茂木さんのblogにも新聞を画像にしてアップされているので、読めますね。

http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/
新・欲望論 1
多様性こそが「合脳的」
2006年1月4日 朝日新聞夕刊掲載

茂木さんのお考えの前提の説明のところに、興味深い記述があった。(もちろん多様性についてのテキストの全体の主旨にも賛同します)
一部引用

欲望とその充足ほど人間を変えるものはない。人間の脳の神経細胞は心臓のように常に活動し、その結合パターンは変化し続ける。神経細胞ネットワークのつなぎ変わりの基本的な方式は、「強化学習」と呼ばれる。嬉しいこと(報酬)がもたらされると、脳内で神経伝達物質ドーパミン)が放出され、その前に行っていた行動が強化される。とりわけA10と呼ばれる神経回路の活動は快感をもたらし、時には依存症になるような強烈な変化を脳にもたらすことが知られている

脳の強化学習についての説明は、茂木さんが繰り返しお話されている内容ですが、昨年からの、PWSの問題行動等に対する行動療法的な対応法の、良い行動を誉めることで、良い行動を増やし、問題行動を弱化するという事に関連つけるとき、改めて、その行動療法的な対応によって実際に脳の神経細胞ネットワークはつなぎ変わるんだと言う事を実感しました。それと共に、PWSのような脳に変異のある障害児の場合、行動療法的な対応法によって、神経細胞のネットワークのつなぎ変えが、実際うまくいくのだろうか、という疑問や、過食症や、こだわり行動との関連性を感じます。PWSの場合、ドーパミンのシステムにも変異があるようですから、行動療法と、脳科学の両面からの研究が進む事を期待したいですね。