ハーブの効用について

大野耕策先生(鳥取大学・医学部・脳幹性疾患研究施設・脳神経小児科部門)にメールで、お聞きしてみました。

質疑
ハーブ類の効用というのは、PWSの場合あるのでしょうか?
私達の娘の場合、1歳の時から、ほぼ毎日、長居公園近くの療育園に通っていて、帰りにいつも公園の植物や、植物園のハーブ類の香を嗅ぐのが好きで、嗅覚も発達している感じがします。4歳8ヶ月の現在、まだ過食等の諸症状はなく、もしかして、ハーブ類の効果があるのだろうか?と思いました。
と言うのが、先日の講演会で、PWSの皮膚の摘み取りに効果があったと言う、抗てんかん薬のtopiramateの作用機序について調べてみましたら、gabaa受容体に働き掛ける可能性が記述してあり、また、「prader-willi症候群-臨床からケアまで」http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4787812416/ref%3Dsr%5Faps%5Fb%5F/250-6645432-6821034の中に、大野先生が、PWSの場合、gabaa受容体に変異があり、gabaaの血中濃度高い旨の研究を引用されていました(但し、gabaaの血中濃度による障害は今のところ見られないとも記述ありましたが)
それで、抗てんかん薬には、副作用あるようですので、副作用無いもの、ないだろうかと少し調べてみましたら、ウーロン茶に含まれるジャスモン類(ジャスミンの香成分)の成分がgabaa受容体を活性化して、精神を落ち着かせる効果があると、公表されていました。
これらハーブ類がPWSに効果あるとすれば、家庭で、節度ある範囲で試行することは、ウーロン茶とかジャスミン類ですから、生活に潤いも与えると思いますし。
また、PWSに対してのハーブ等による治療法は実践されているケースは無いのでしょうか?

回答:大野耕策先生
topiramateは日本ではまだ使用ができない抗てんかん薬です。GABA受容体に作用する薬はありますが、抗てんかん薬ですし、副作用もありますから、まだ使わない方が良いと思います。
皮膚のつみ取りは一種の強迫症状の様にも思えますが、いらいらや興奮でPickingが増強する人もありますので、興奮を静めると言う意味でGABA作動薬が効くのでしょうか?
私はハーブについて良くわかりませんが、もしGABA受容体に作用するハーブがあればそれをお茶として飲ませることは悪いことではないと思います。

ありがとうございました。
アーチャンは匂いに敏感で、ハーブや石鹸やいろいろなものの匂いに、こだわりがあるようですので、効果があれば良いなと思います。