行動の問題と空間記憶

prader-willi2003-10-18


最近こんな事がありました。
PWSの諸症状のうち、行動上の問題として、「こだわり」がかなり強いことが、挙げられていますね(僕の娘も少しずつですが、みせるようです)

その内の一つとして僕の娘の場合「自分のゴミは自分でゴミ箱へ捨てる」というのがあります。何となくそう書くと行儀の良い子という感じですが、少し過剰な感じですね。
先日天王寺美術館で「円山応挙」展を観た帰りに、パックの牛乳を買い与え、飲んだ後ゴミ箱探したけれど見つからず駅まで持っていきました。そこで捨てようとするんですが、届かないので僕が「ポイするよ」と言って娘から受け取り、ポイと声掛けて捨てたんですが、見てなかったか見えなかったようで、言葉で「トーチャンが今捨てたやん」と説明しても納得せず、家までの間ずっと泣いていて、困りました。カーチャンからはきちんと見せないと駄目と駄目出しがあり、以後注意するようにしました。
おそらくPWSの子供達は想像するに、このような経験の積重ねの中で、パニック等起こす場合には、何らかの原因がきちんとあり、全てでは無いですが注意を周囲が少ししていれば、ある程度の部分防げるかもしれないと思いました。

この経験でいろいろな事が見えてきました。
まず、視覚的な部分に限定するとPWSの人のプラスの特徴として個人差はあるけれど、「空間記憶が良い」とか「ジグソーパズルが得意」という事があるようです。そして特に海外でその事はよく研究されているようです。PWSの諸症状の原因ではないかとされるNecdin遺伝子(発見者さんは日本人です。大阪大学 蛋白質研究所 蛋白質機能制御部門 吉川和明先生ですhttp://www.protein.osaka-u.ac.jp/regulation/index_jap.html)を失う事で逆に「空間記憶」が良くなるという実験の結果があります。想像するに、PWSの人達は知的に問題を整理して、理解する事は苦手であるが、視覚的な情報の処理に優れている部分が個人差はあるが、見られるようです。

だから私の娘が自分の見ていないところでゴミとしての牛乳パックが勝手に捨てられると、自分で捨てるというこだわりの精神的な部分と併せて「視覚から消えてしまった」その元あった牛乳パックのイメージ記憶がいつまでも残り、うまく処理されず、混乱するんではないか?と仮定してみます。
他の患者家族の皆さんで同じような経験された方おられませんでしょうか?

この部分をきちんと専門家に研究していただいて、うまくPWSの本人がむしろプラスな部分のある、その能力を自覚する事ができれば、その部分において、社会への適応がスムーズにいくのではないか?と想像します。

僕達夫婦はアートが縁で出会って結婚したという事もあり、もちろんその能力がアートとかクリエイティブな方向に結びついてくれることも願います。Necdin遺伝子の研究者さんへの働き掛けも根底にそのようなプラスの方向性を感じさせてくれる部分があるからです。

たまたま偶然ですがカーチャンの弟が障害者の為の作業所経営しているので、PWSの為のプログラム一緒に開発できればいいなと思っています。

そして各専門分野の横断的な研究と研究協力をしていただく必要があると感じます。

行動の問題は多岐に渡ると思います。
すこしずつ記載していきます。